7月29日(日)、家づくり学校「特別構造ゼミ」4回目の授業がありました。
これまでは軸組模型を使った軸の組み方の指導でしたが、今回からは力学的な検証(計算)も盛り込んでいきます。前回の授業の様子は、コチラ≫
宿題として①伏図を作成すること②軸組図を作成すること③伏図に耐力壁の位置を記載すること④耐力壁の計算を行うこと⑤ゾーニングごとの耐力壁の検討を行うこと⑥軸組模型へのブラッシュアップが出されておりました。
少し宿題が多いようにも思いますが、ここが正念場。これらは同時に検討するものであり、図面はそれを人に伝えるためのツールです。
課題設定はみんな同じなのですが、軸の組み方や、耐力壁の考え方は、人それぞれ。
和組の人もいれば、洋組の人もいる。
耐力壁を面材で解く人もいれば、筋交いで解く人もいる。
吹抜における風圧力を、柱に負担させる人もいれば、梁に負担させる人もいる。
それぞれに一長一短があり、短を補うための手法や、長と思っていても短の部分もあったりと、、、時にはプロジェクターで破壊実験の動画を見せたり、時には黒板を使って図解したり、山辺先生の豊かな経験を教示してくれます。
構造の考えは、一昔前から随分と進化しており、最新の動向を知ることも大切です。
受講生各自が宿題をスクリーンに映写し、計算の考え方や結果を発表していくのですが、その発表だけでその計算の仕方が合っているのか判断するのは困難です。
発表や山辺先生の個別指導に合わせて、山辺事務所の馬場先生も同時に個別チェックし、間違いがあればその場で指摘してくれるという丁寧さと贅沢さ。
また計算上は成り立っていても、現場でその軸が組めるかという課題もあります。
木造は、線と線とぶつかり合い。取り合う部材が多くなると、プレカットで対応できなかったり、断面欠損になったり、不合理になることもあります。
経験が少ない設計者だと気づかない、判断できないことも、その場で山辺先生がスケッチを描きながら問題点を指摘し、その解決方法を教えてくれます。
テーブルを囲んで、その指導を共有し、受講生みんな、どんどんレベルUP!
受講生各自に問題点、課題点、理解力に違いがありますので、そこを山辺先生が見つけて「ここを解いてきて」「ここの設計してきて」と、それぞれに2つずつくらいの部材検討の宿題を与えていきます。
また時には、泉校長が参入し、受講生に対して「本当は、こうしたいんじゃないの?」「こうしたら、もっと良くなるんじゃないの?」「こんな考えもあるんじゃないの?」って、意匠設計者としての発想を広げるアドバイスもしてくれます。
人の発表や個別指導の内容を全員が共有し「そんな考えもあるんだ!」「それは自分にも言えることだな!」。乗り越えないといけない壁もありますが、個別的な達成感とともに、知らず知らずの内に臨機応変に対応できる応用力も培われていることと思います。楽しくワクワクする、あっという間の5時間でした!
家づくり学校は、NPO法人「家づくりの会」が主催する4年生の学校であり、この構造の授業は、それプラスの特別な構造ゼミ。家づくり学校のサイトは、コチラ≫