工業化の夢は何をもたらしたのか? | 築紡|根來宏典

築紡

築紡

loader
ブログ
ブログ

2018年5月21日(月)

工業化の夢は何をもたらしたのか?

5月19日(土)、家づくり学校2年生「素材」の授業がありました。

 

2年生は教室を飛び出し、素材の産地や職人さん達の技術を訪ねるカリキュラム。
ですが、いきなり現場に行っても、何を見て良いものやら?何を質問して良いものやら?何のために行くのか?分からない(分かったつもりになっている)もの。

 

それでは時間もお金もモッタイナイですし、職人さんたちに対して失礼というもの。
一回目の授業では「何故そのような場所に足を運ぶのか?」というガイダンスが教室で行われました。講師は、泉幸甫先生です。

 

高度経済成長期、泉先生は、職人文化の衰退や、それに代わる工業化製品の台頭を目の当たりにし、それらと対峙してきた経験豊かな方です。
とはいえ、工業化ということを否定しているわけではありません。
ただそれが商業化(利益追求)になると、これは健全な設計者としての立ち振る舞いが問われるわけですね。

 

工業化の夢は何をもたらしたのか?から始まり、そのような時代において住宅における個別性をどのように生み出すか?まで。
「職人的な世界感」と「機械・プレキャスト的な世界観」を二項対立的に捉えるのではなく、工業化の良い所は取り入れつつ、
その狭間で生きる住宅設計者の未来に光を照らしてくれたように思います。

 

今年度は、植木、石(大谷石)、建具、左官、木材、瓦、板金といった産地や技術を探訪します。
知らない世界を学ぶということは楽しいことなのですが、それを実践にどう結び付けるか?というビジョンが大切。
そんな住宅設計者の在り方を考えさせられる授業でした。

 

こちらは授業後、2週間前に行われた特別構造ゼミの補講の風景。

特別構造ゼミのお話は、コチラ≫

泉先生も、受講者の皆さんも熱心で、頭が下がる思いです。

 

新入生となる1年生の授業は、5月27日から始まります。
定員までまだ空きがあるようです。入学希望者は、コチラ≫