鉄平石 その1 太古のロマン | 築紡|根來宏典

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2017年7月18日(火)

鉄平石 その1 太古のロマン

7月15日(土)は、家づくり学校2年生の第3回目『鉄平石』の授業でした。

 

今回の探訪では、大型バスを借り切り、諏訪の方に行って参りました。
引率講師は泉幸甫先生、現地で案内いただいたのは藤森鉄平石の細田さんです。

 

諏訪の鉄平石は、およそ2400年前、霧ヶ峰火山の活動により誕生した石。
その活動によって2㎝前後の水平に積み上がった岩石の層を板状節理といい、
さらに3~5m幅で垂直に積み上がった層を柱状節理といいます。

 

鉄平石は、その節理に沿って層状に剥がれる特徴を持つ輝石安山岩。
山肌に岩の節理が露出している採石場の圧巻な風景をバックに、
細田さんの解説に聞き入ります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

割り出され、並べられた大きな石。
写真に人が入っていないと、石のスケール感が分からなくなりますね。
これほど見事な石は、めったに採れないそう。泉先生が品定めをしている様子です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

職人さんが、石を薄く割る技を披露してくれました。
節理を見極め、まずノミを打っていきます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ぐるりと一周するころには、水平にひび割れが浮き出てきます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2枚に剥がれた鉄平石。
さらに薄くもできるそうですが、ここでは縦に割ってもらうことに。
真ん中にノミで傷をつけて、石の下に台座を挟み、テコの原理を使って、、、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ドン!真っ二つに。手際の良さと、石の割れる音と振動は圧巻です。
熟練の方ほど、石の目を見極める能力が高く、
使われる用途を見極めることができるので、動きに無駄がないのだそうです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さらに小さく割るには、希望サイズにノミで傷をつけて、ハンマーで叩き割ります。
石を切り出すのではなく、このように割り出すこと。
チェーンソーなどの機械を使わないことが鉄平石の特徴であります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

成型され、出荷を待つ鉄平石。
成型といっても、どれ一つとして、同じサイズ、厚み、色合いのものはありません。
工業製品化された建材に慣れた近代的な建設現場では、扱うのが難しい素材ですね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

板状に割り出された石が、そこかしこに積まれています。
サイズも様々、色も様々、小口も様々、表情も様々、、、
ともかく、様々な使い方の可能性を感じる石であります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

鉄平石は、このように割り出していくので、石の小口は鋭角です。
それが鉄平石の魅力でもあるのですが、一手間加えて小口に丸みを帯びさせる荒ずり加工を施せば、優しい雰囲気にもなります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こちらの黒い模様、どう思います?面白いとか、、、汚れているとか、、、
火山活動の際に、層と層の間に挟まった植物の化石だそうです。
太古のロマンを感じます。