左官 その2 掻き落とし | 築紡|根來宏典

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2016年11月16日(水)

左官 その2 掻き落とし


左官の世界を体験することに。「掻き落とし」をテーマとしたワークショップです。

基材は、白セメント:石灰=2:1。
セメントは硬化が早く、石灰は硬化を遅らせる効果があるそうです。

色を付けたい人には、セメント、漆喰、石膏プラスター用の顔料を準備。
粒子が細かく、耐候性・変色・退色に優れ、着色力が強いので、とても便利な材料です。
自然の土を混ぜるのも良いのですが、ちょっと高価過ぎますしね、、、

基材に骨材を混ぜて、配合していきます。
私が選んだのは、城陽砂(京都産の茶色い砂)と黒御影を砕いたもの。
基材:城陽砂:黒御影:黒顔料=1:1:1.5:少々

水を少しづつ加えながら混ぜ、最後にワラを加えました。
ちょっと渋い感じを狙っています。自身のオリジナルブレンドです。

木枠に塗り込み、乾かします。時間が掛かりそうなので、ストーブの前で。
みんなのを並べると、色とりどりで、それぞれの個性を感じますね。
左官は水の引き具合が重要で、掻き落としのタイミングを見計らいます。

掻き落とす道具も色々。
荒々しく仕上げたければ荒々しい剣山、繊細に仕上げたければ繊細な櫛。

いよいよ掻き落としの作業。どんな表情が現れるかワクワクします。
道具だけでなく、力加減や櫛の引き方でも表情が変わるのが手に取るように分かります。

掻き落とすと、当然、ワラが浮き出てきます。
それも味といえば味なのですが、気になる場合は、火で炙ると良いそうです。
室内はもちろんのこと、外壁にも使える仕上げです。

骨材に白い砂があるのですが、関東では「白竜」、関西では「寒水」と呼ぶそうです。
ともに白色結晶石灰石で同じなのですが、産地の違いで呼び方が変わるのだとか。
厳密にいうと、白竜は青みを帯び、寒水は黄みがかっているそうで、
仕上げた時の色にも違いがでるそうです。メモメモ。

根來宏典