根來宏典建築研究所

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2016年2月9日(火)

紀州材 開拓


和歌山県の林業振興課や製材所関係の方々を『練馬の住宅』に案内いたしました。

私が設計している住宅の現場を見て、色々と話を聞きたいとのこと。
「紀州材」の販路開拓が目的です。

現場を見られた感想として、
立派な梁、良質な無垢木材をふんだんに使っていること、
木の家に対する理解力の高い建主さんであること、
仮屋根を掛けたり、木材に対して丁寧な工事をしている工務店の姿勢に、
一同感嘆し、羨ましいとのことでした。

先方から見れば「どうやったら紀州材を使ってもらえるか?」ですが、
私の方から見れば「どうやったら紀州材を使えるか?」です。
そんな意見が、ぶつかり合います。

私自身、これまで福島の八溝材、埼玉の秩父材や西川材、長野の信州材、高知の土佐材、宮崎の飫肥材といった産地を巡ってきました。
紀州材との関係を持つことは、私にとっての本丸です。私の出身地ですので。
とはいえ、私の思い入れだけで、紀州材を採用する訳にはいきません。建主さんに勧めるためには、建主さんにとっての利益(メリット)、納得できる理由が必要です。

どこが一番ではなく、その住宅の特徴に応じて産地を選ぶことが大切だと考えています。ですので、一つの産地だけを知っているだけでは、そういった設計には対応できません。
美しさのこと、強度のこと、乾燥のこと、油分のこと、安定供給のこと、価格のこと、流通のこと、プレカットのこと、、、
こういった方々との交流をもつことは、それら総合的な視野を広げるという意味で、私にとっても凄い勉強になります。

『練馬の住宅』の建主さんからは「日本の林業の地道な努力と復活を応援しています」とのお言葉で、今回の視察には歓迎してくれました。
ちなみに、キッチンカウンターに使う天板は、建主さんが以前からお持ちの吉野杉。

吉野杉は、紀の川(和歌山県)の源流・吉野川(奈良県)上流にある日本で最も古い人工林地帯で採れる杉。その産地は、人工の日本三大美林の一つとなっております。
他の二つは「天竜杉」と「尾鷲檜」ですね。
ちなみに天然の日本三大美林は「青森ヒバ」「秋田杉」「木曽檜」ですね。

紀の川は、私が毎日、見て過ごした場所。実家の川向うに、小・中・高校があったので。
小さい頃は、川に入って遊んでいましたし、流されそうもなりました。家も流されそうになったし、、、
そんな想いも馳せながら、設計活動に取り組んでいます。

根來宏典