練馬の住宅 上棟 | 築紡|根來宏典

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2016年1月22日(金)

練馬の住宅 上棟


『練馬の住宅』が上棟しました!

駅から現場に向かって歩いていると、ひときわ目立つクレーンが、、、
近くで工事中のマンション現場のものかな???と思って向かうと、
うちの現場ではありませんか!
大型のクレーンを用意。工務店の気合の入り方が伺えます。

良質な国産木材に拘った住宅。柱と梁は、宮崎産の「飫肥杉」です。
梁というと、一般的には「ベイマツ」ですが、杉でも使えます。
ベイマツは粘り強さに優れているので合理的なのですが、
強さが劣る材種は、その強度に合わせて部材サイズを大きくすれば良いのです。
また飫肥杉は、殺蟻成分を含んでいるのも特徴で、柱としては理想的な材です。
飫肥杉のお話はこちら その1≫その2その3≫

飫肥杉以外にも、これまで福島の八溝材、埼玉の秩父材や西川材、長野の信州材、高知の土佐材といった産地を巡ってきました。
素材自体としては、美しさや強度といった点で、他の産地の方が優れている利点はありますが、乾燥やプレカットの技術では、宮崎の方が進んでいます。

我々設計者は、素材のことはもちろん、仕入先の乾燥やプレカットの技術を知らないと、
責任ある設計はできません。
今回は、飫肥杉を選定しましたが、その住宅の特徴に応じて産地を選ぶことが大切です。
そのためには知識だけでなく、「顔の見える野菜」のように木の産地のネットワークを持つこと。山を育てる人、製材する人、木材を流通させる人、家を建てる人、、、
木の家を建てるためには、多くの人が関わっています。

そして今回採用している一番大きな梁せいは、490mm。
集成材ではなく、無垢ですよ!これは見ごたえあります!
490mmの梁せいというのは、安易に使うことができるサイズではありません。
国内最高レベルの乾燥技術をもつ工場から仕入れているからこそ、
安心して使用できるサイズなのです。

また構造用合板を使わないというのも、この住宅の特徴です。
近年における住宅の耐震化においては、床や屋根の水平構面として、
構造用合板は欠かせない材料です。
水平構面を確保するため、ここでは信州産カラマツの3層パネルを採用。うん!美しい!

天井の梁はもちろん、この3層パネルも表しの空間として設計しています。
ですので、できるだけ雨水に濡らしたくないもの。というか、明日の天気は雪ですね、、、
パネルを貼るのと同時に、すぐに養生してくれました。

さらにブルーシートでテントを掛け、2重の保護をしてくれました。
とても几帳面で、気が効き、安心・信頼できる工務店です。
辺りには、まだ先日の雪が残っています。

夕刻には、建主奥さまと、そのお母さまも現場に駆けつけて下さり上棟式。
棟梁の力強い2拍手が現場に響き渡りました。頼りになる現場監督と棟梁に恵まれました。
怪我のないよう、最後まで、宜しくお願い致します。

根來宏典