詩仙堂 | 築紡|根來宏典

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2014年6月16日(月)

詩仙堂

さて、いよいよ今回、京都を訪れた目的地「詩仙堂」です。入口はの山門「小有洞」は、杮葺きの詫びた趣。気が付かず、そのまま通り過ぎてしまいそう、、、ひっそりとした佇まいです。奥に延びる、石段と竹藪に、心惹き込まれます。

 

参道を登り「老梅関の門」を潜ると、玄関が見えます。こちらは普段使われない玄関ですが、その向こうに庭園が垣間見えるのが良いですね。

内部に入って、座敷から見る風景。詩仙堂といえば、サツキの刈り込み。この時期、見ごろなのです。縁側近くに腰を下してお庭を眺めるのも良いですが、私は座敷の奥のほうから眺める方が好き。室内の暗さ、外の明るさとのコントラストとか、開口部や欄間や庇といった低さとのプロポーションとか、空間の奥行きといったところに、心が落ち着きます。

 

 

 

 

 

 

 

 

詩仙の間から見る風景。縁側の入隅に設けられた三角形の竹縁が良いですね。空間構成のアクセントとして効いている。庭との一体感とか、遊びとか、空間の流れとか。下がり壁(欄間)も良いですね。階層性とか、薄さとか、障子の設えに、絶妙な関係性をもたせ、空間の「仕切り」と「連続性」の作り方が、見事です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

これらを統合するには、このディテールがあってのこと。まず柱が細いこと。そして柱と鴨居のズラし方に品があること。プロポーションが美しい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

足元も同様です。柱と敷居の納まりも、ほんとうに美しい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「至楽巣」の床の間。和室の設えには、作法(ルール)があります。この床の間は、その作法を破っている。。。でも、この方が自然ですし、品を感じるし、私もこの方が良いと思います。こんな風に破っても良いんだというのは、大きな収穫でした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この詫びた感じの床框もいいよね。磨き丸太の太鼓落とし。