根來宏典建築研究所

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2009年5月1日(金)

7代目


左官職人・木村一幸さんとのワークショップ。
明治初年創業の老舗・木村左官工業所の7代目です。

ワークショップでは、土壁と漆喰の塗り体験を通して、左官の基本を学びます。
左側の黄色い土は、貴重な土です。右側の白い方は漆喰。

京都伏見で採れる黄土。10〜15年前に採れた土だそうで、現在はもう採れないのだとか。
採れた土は、フルイに掛け、粒子の細かさごとに分けます。
最も細かい物を左官材料として使うのですが、粗い物も捨てずに使うそうです。
例えば、粗い砂利などは豆砂利洗い出しとして使ったり。左官は捨てる物がないとのこと。

ワラスサにも色々な種類があります。
クラック防止と思われているのですが、保水性にも重要な役目があるのだとか。
ワーカビリティを高め、急激な乾燥を防ぎます。

土壁は、これらに砂を混ぜるのですが、
関東の砂(荒木田など)は黒っぽく、下地には良いが、
仕上げで美しい色を出すには適さないそうで、関西の砂の方が良いそうです。

こちらは、北海道日高産の『黒葉銀杏草』。角又と呼ばれる海藻ですね。
これを煮て出てくる糊と石灰とスサを混ぜると、漆喰の材料となります。

近年、既調合の材料が販売されておりますが、拘りある天然素材を使う職人さんも居ります。木村さん曰く、労力を惜しまないこと。
現場で塗る作業だけでなく、夜帰ってから行う仕込みの作業が大切なのだそうです。

そして、お楽しみの塗り体験。
プロの職人さんが鏝の持ち方から、一連の動作までを丁寧に教えてくれます。
まずは、貴重な京都伏見の黄土を使った土壁から。

鏝も色々で、サイズや形だけでなく、鉄の硬さによって使い分けるのがポイントです。
左官は水商売と言われます。水分の引き具合によって、鏝を使い分けること。
塗り始めの土が柔らかい間は硬い鏝、
固まり水分が減ってくると柔らかい鏝で仕上げて行きます。

次に漆喰。今回は特別、希望者には磨きも体験させていただきました。
用意戴いたのは、朱、あさぎ、藍の3色。

泉さんは、下地(1回塗り)に藍、仕上げ(2回塗り)にあさぎを。
泉幸甫と言えば、日本一「左官」を上手に使う建築家。
単色の2回塗りが基本ですが、いきなりオリジナリティを発揮するのは流石です。
さてさて完成のほどは如何に・・・。

こちらは吉原健一さん作。何度も言いますが、単色の2回塗りが基本です。
あさぎの2回塗りの上に、朱を載せて。炎がメラメラ。いつの間にか、個性的な作品へと。
吉原さんは「劇的ビフォーアフター」に出演していた匠「五感住宅のソムリエ」です。

佐久間正孝さん作。白漆喰の上に、可愛らしく朱と藍を載せております。
佐久間さんは仙台からの参戦となります。

私・根來作。色は藍を選択。日頃ローコスト住宅が多い私は、1回塗りで材料を節約。
1回塗りでできた斑模様。その模様を活かし(残して)てピカピカに磨き上げました。
どうでしょう?いや、どうだ!

最後に後藤孝さん作。朱の2回塗り。今回一番上手に仕上がった磨きです。
彼は、三重からの参戦。三重と言えば、『伊勢磨き』が有名。目が肥えているのですね。

根來宏典